IT Spiral :高度ソフトウェア技術者育成プログラム

(IT Specialist Program Initiative for Reality-based Advanced Learning)

説明会資料・履修申請書の掲載

平成24年度 IT Spiral の説明会資料および履修申請書はIT-Triadicのサイトに掲載されています。履修申請の締め切りは4/16正午(研究科事務室に提出)です。

プログラムの概要

IT Spiral は,世界最高水準のソフトウェア技術者育成システムの構築を目的とする「文部科学省:先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」の一環として,平成18年10月から3年半の計画でスタートしたプロジェクトです.
ソフトウェアシステムの欠陥により引き起こされる不具合は,日常生活に多大な影響をもたらすことも多く,深刻な社会問題となっています.システムの大型化,高度化が進展する一方で,その開発期間の短縮が要求されているという状況のなか,ソフトウェアシステムの開発現場では,高度な技術力を有し長期間にわたり活躍できるソフトウェア技術者が強く求められています.
IT Spiralでは,情報通信技術,特にソフトウェアの高度な技術者育成を目指しています.この実現のために,ソフトウェア分野で教育,修得すべき内容をより豊富にかつ体系的・実践的に教育課程に取り組むべく,関西圏の9大学情報系研究科に分散している卓越した専門家群の力を集結し,融合連携型の専攻を構築していきます.また,実践教育を重要視しており,高度な技術力を持つ企業と協調することにより,現実の開発プロジェクトを教材とした教育を実現していきます.
対象
博士前期(修士)課程1年生(他学年の希望者は問い合わせること)
募集人数
5名(応募者多数の場合は,ソフトウェア開発の経験やプロジェクトに対する熱意,入試成績などを勘案して選考)
  • 修了書発行授与(※大学院の博士前期(修士)課程修了のための要件と本融合連携専攻修了のための要件とは異なります)
  • 演習用ノートパソコン貸与
  • 大阪大学中之島センター(大阪市北区)(実践ソフトウェア工学科目会場)までの交通費を支給します.

プログラムの特色

9大学情報系研究科のネットワーク 4民間企業と関西圏の9大学情報系研究科のネットワークにより,基礎力,適応力,実践力の3つの能力を高いレベルでバランスよく身につけることができます.
奈良先端科学技術大学院大学をはじめとする関西圏の9大学情報系研究科には最先端のソフトウエア工学の研究を行う教員が多数集結しています.これらの教員の専門領域を融合連携することによって,高度な技術力を持つソフトウエア技術者の育成に必要な領域を網羅しつつ,幅広い教育を実施していきます. また,高度な技術者を多数有し,最先端のソフトウエア構築技術を持ち,多くのシステムの開発実績を持つ四つのソフトウェア企業と連携することにより,実践的な教育を行っていきます.

プログラムの修了要件

本融合連携専攻を修了するための要件は次の三つです.これらの要件を全て満たした場合に,本融合連携専攻より修了認定証を授与します.(なお,大学院の博士前期(修士)課程修了のための要件と本融合連携専攻修了のための要件とは異なります.)
  • 基礎ソフトウェア工学科目群 2科目4単位以上
  • 先端ソフトウェア工学科目群 2科目4単位必修
  • 実践ソフトウェア開発科目群 3科目6単位必修
*各科目の詳細に関しては次項,および次項リンク先の電子シラバスを参考にしてください.
※奈良先端科学技術大学院大学における履修上の注意※
ITスペシャリスト育成推進プログラム実践ソフトウェア開発科目群,「実践プロジェクト管理」「実践ソフトウェア開発論」「実践ソフトウェア開発演習」の3科目については大阪大学中之島センターで授業を実施します.実践ソフトウェア開発科目群の履修には以下の手続きが必要です.
(1)履修申請について
i. 履修申請に必要な所定用紙は,学生課教務係で交付します.
ii. 履修希望学生は,実践ソフトウェア開発科目群の講義内容及び開講時期等を参考に履修科目を選定し,担当教員の承認を得て,所定の用紙を学生課教務係に提出してください.また,同じ時間帯に行われている授業を重複して履修することはできませんので,ご注意ください.
(2)履修申請の取扱期間
詳しい日程は,大阪大学大学院情報科学研究科の授業開講日等の通知を受けて,後日掲示にてお知らせします.
(3)履修及び単位の認定について
履修が許可されると,特別聴講派遣学生として大阪大学中之島センターで行われる実践ソフトウェア開発科目群の授業を受けることができ,そこで修得した単位は本研究科所定の単位として認定されます.なお,本学での成績表への登録は大阪大学大学院情報科学研究科から成績報告を受けた後に行われます.その他,履修に関する詳細については,学生課教務係にお問い合わせく ださい.

IT Spiral カリキュラム構成

基礎ソフトウェア工学科目 (2科目4単位以上)

本研究科の既設科目から,ソフトウェア工学に関する基礎学を強化する科目から選択して履修します.
1.ソフトウェア設計論 (第I期) 担当教員:飯田元,吉田則裕
ソフトウェア設計,ソフトウェア分析/設計法,オブジェクト指向,協調分散型ソフトウェア,開発リポジトリ
2.情報通信システム論I (第II期) 担当教員:岡田実
無線通信システム,移動通信システム,無線LAN,ディジタル放送,無線伝搬路特性
3.ソフトウェア工学I (第II期) 担当教員:松本健一
ソフトウェアメトリクス,ソフトウェアテスティング,ソフトウェア開発マネージメント,ソフトウェア品質,要求工学
4.ソフトウェア工学II (第III期) 担当教員:門田暁人,大平雅雄
データでみるソフトウェア開発,プロダクト評価,ソフトウェアプロテクション,開発者の社会的関係,法律と契約

先端ソフトウェア工学科目 (2科目4単位必修)

連携大学院の教員が,自身の専門とする科目の講義を記録したビデオ教材から,第II期に「アプリケーション開発」,第III期に「組み込みソフトウェア工学」についてビデオ講義を行います.なお,議論,質疑応答,演習等が行えるように,教員を配置します.(テレビ会議システム等を介した配置になることもあります.)
1.先端ソフトウェア工学I 〜 アプリケーション開発 (第II期) 担当教員:飯田元,吉田則裕
1-1.ウェブ工学   和歌山大学大学院 システム工学科提供
ウェブサーバとクライアント(ブラウザ)をシステム要素として用い,情報の構造化・変換・表現を多様な言語で記述・構成する情報システム技術について解説する.
1-2. コンポーネント/パターン指向ソフトウェア開発   立命館大学大学院 理工学研究科提供
コンポーネントとパターンをソフトウェア開発に積極的に取り入れた開発手法を紹介し,具体的方法論や適用例を解説する.
1-3.モデル中心ソフトウェア開発   京都大学 学術メディアセンター提供
モデルを活用したソフトウェア開発と,その支援技術について,ソフトウェアの持つべき性質,追跡性,開発支援のためのメタモデリング,MDA/MDDなどに関する最新動向を交えて解説する.
2.先端ソフトウェア工学II 〜 組み込みソフトウェア工学(第III期) 担当教員:岡田実,宮本龍介
2-1.組み込み信号処理システム設計論   奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科提供
具体的なデジタル信号処理を例に取り,組み込みシステムへの適応例と設計手法について論じる.

実践ソフトウェア工学科目(3科目6単位必修)

ソフトウェア開発における高い技術力と実績を有する民間企業のノウハウを活かした,実践的な講義・演習を行います.この講義は・演習は隔週金曜日,大阪大学中之島センター(大阪市北区)に,受講生が一同に集まって行います.なお,演習では,複数の大学院の学生が一緒に小規模グループでソフトウェア開発プロジェクトを進めて行きます.演習に使用するノートパソコンは貸与します.
1. 実践プロジェクト管理(第I期)
情報産業の現状や課題について概説した上で,ソフトウェアプロジェクト管理に関する技術の詳細について学びます.特に,現在標準的に開発現場で用いられているコミュニケーション技術,ソフトウェアのテストやレビューに代表される品質保証技術,要求分析を行う上で必要となる要求獲得・定義手法,技術について実例を用いて解説します.また,近年のウェブアプリケーション開発における最新の話題についても紹介します.
2. 実践ソフトウェア開発論(第II期)
業界アプリケーションの開発プロセスを例題を通じて体験します.具体的には,実用規模のウェブアプリケーションソフトウェアの仕様書をUML(Unified Modeling Language)を用いてモデル化し,ファンクションポイント等を用いた見積もりを行います.
3. 実践ソフトウェア開発演習(第III期)
他の大学院生とともに複数人のチームに分かれて実装します.実装には,Javaと現在標準的に用いられているフレームワークであるStrutsを使用します.実装したプログラムに対する品質保証活動(テスト,レビュー)も実施します.プログラム開発時には,データ収集・分析ツールを用いて,プログラムの構成管理情報,バグ情報,メールを通じたチーム内コミュニケーション情報の収集を行います.収集したデータを元に,各チームの進捗管理やバグ管理を行います.最後に,開発したプログラムの複雑さや保守性を様々な解析ツールを用いて評価し,改善点や改良法について議論します.以上のような,開発プロセスを通じて,実践的なソフトウェア開発管理技術を体得します.
奈良先端科学技術大学院大学
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科